妊娠を希望するけど、出産前までは働いていたい。
そんな女性も少なくありませんよね。
様々な子育て支援が広がる現代ですが、妊娠すると働きづらくなるパターンは、まだまだ多くあるようです。
私も、妊娠後に一年未満でパートの仕事を辞めました。
決して「妊娠を理由に解雇」という事実はありませんが、何とも後味の悪い最後でした。
その時の私の経験を綴りたいと思います。
こんな職場もあるんだな…と参考にしてもらえれば幸いです。
私が経験した小さなマタハラ
私は以前、働いていた職場でのマタハラに関するという記事を書きました。
パートを始めてしばらく経った頃、私が所属していた部門の先輩パートさんに、「若い子はどうせ妊娠してすぐ仕事を辞めるんだから、仕事を教えたくない」と言われたことがありました。
今回、実際に妊娠した私。
急に具合が悪くなったら休まなければならないこともあると思ったので、妊娠がわかってすぐ、つわりが始まる頃に相談をしました。
ちなみに、上司や先輩パートさん達から良い反応がないことは、想像ができていました。
でも、この時点では、私は「すぐに仕事を辞める」という考えはありませんでした。
以前、他の部門で妊娠した方が、店長に相談しているのを聞いたことがあり、店長が「出産前働けるまで働いて良い。すぐ辞める必要はない。みんなギリギリまで働いて、復帰しているよ。」とその方に話していたからです。
しかし、私の場合は、すぐに辞める方向で話が進んでしまったのです…
人手不足だけど、余裕を持って人を雇わない職場
チーフに妊娠を報告した際、「私があける穴をどうやって埋めるのか」ということに困っていました。
(チーフはこの時点で既に、「私が仕事を辞めること」前提で悩んでいました。)
常に人手不足な職場だけど、いる人でなんとかシフトを回すということになっていました。
かなりカツカツでしたので、突然パートに行かれなくなった場合は、自分で代わりを見つけなければならず、代わりがいない場合は休めないという状況でした。
ちなみに、部門に配属された正社員は、1人で色んな支店をかけ持っていたので、1週間にほとんど会いません。
私の所属していた部門での絶対的な権力は、チーフと50~60代の先輩パートさん2名が持っていて、店長も部門のことまでは把握できていませんでした。
そんなもんで、チーフや先輩パートさん達は、妊娠して体調不良等で休む可能性のある私を早く辞めさせて、新しい人を雇いたかったようです。
もちろん、「辞めてください」とは一切言われませんでした。
職場に迷惑をかけることは申し訳なく思いましたし、会社の制度や労働環境から考えると、妊婦がいることを煩わしく思うことは理解できます。残念ですが。
「妊娠したきゃ、働かなきゃいいのに」
いずれは辞めるということは決まっていました。
面接時に転勤族であることは伝えています。
産後に働けるようになったとしても、まだこの地域に住んでいるかどうかはわかりません。
元々、未来が予想できない身なので、外で働く場合は、雇用してくれる会社にできるだけ迷惑をかけないような配慮はしたいと考えていました。
とりあえず、チーフが正社員に報告すると言って、その日は帰りました。
次の出勤日には、元々陰口が大好きな先輩パートさん達に、妊娠したことは既に伝わっていました。
そしてその日の仕事中、わざと私に聞こえるように言ったのかはわかりませんが…
「妊娠したいきゃ、働かなきゃいいのに」「どうせ辞めると思っていた」などと話していました。
職場で妊娠しているのは私だけ。明らかにタイムリーな話題なので、私のことでした。
一瞬、ショックでした。
仕事で穴を空けてしまうかもしれないので、迷惑をかけている立場なことは自覚していましたが、それでもやっぱり悪口言われることは悲しかったです。
他にも、私のいないところで話していたそうです。同じ時期に入ったパートさんが密告してくれました。辛くなるから教えてくれなくてよかったのに(笑)
それを機に居づらくなりました。
というよりも、今までのその他のハラスメントや労働環境、仕事内容を考えて、「未練はないな」と思うようになりました。
そして、店長に報告しに行きました。
妊娠した事実と、今後急に体調不良になったりして休むことがあった場合に、私の代わりはいないということ。
職場の先輩方は、「どうせ辞めるなら早く辞めてもらって、新しい人に仕事を教えたい」というスタンスなので、揉めるくらいなら辞めたいですということを話しました。
店長は、「すみませんね…」の一言で、退職を承認してくれました。
つわりとの戦いのお陰で、嫌味も無視できた。
そんなこんなで、トントン拍子でパートを辞めることになった私。
店長に「いつまで働くの?」と聞かれ、次の人を雇う時間もあるので、1ヵ月くらいが妥当だと思い、翌月末までということで、報告日から約2か月後に退職することになりました。
退職の日までが大変でした。つわりが始まったけど、休めない…
あの職場に、体調不良の人に(先輩パートさん達に)仕事を代わってもらうという概念は明らかにありませんでした。
現に、チーフが、咽頭痛や咳くしゃみがひどく、怠くても「熱はないから」という理由で働き続けていました。(コロナだったらどうしていたんだ…危機管理意識がとても低い職場です。)
常に胸やけとげっぷと戦っていましたが、 動いていると気が紛れて、なんとか吐くことはありませんでした。
夕方家に帰ったら、夕食を作る気力なんて残っていませんでした。
元々食欲もないので、調子の良い時に副菜を作り置きして、あとは夫に適当に作ってもらうか好きなものを買ってきてもらいました。
辛い日々でしたが、つわりと戦っている時は、逆に先輩パートさん達の嫌味に構ってられませんでした。気持ち悪くて、それ以外のことがどうでもよかったのです。
「どうせ辞めるんだから、もういいや…」というマインドでした。
妊婦を特別扱いしてほしいわけじゃない!
今回わかったことは、まだまだマタニティハラスメントは残っていて、そういうのが当たり前だと思って生きてきた世代の人の思考は、変わっていないということだと思います。
先進的な企業や大企業は、良い人材を獲得するために、福利厚生の制度を充実させていると思いますが、中小企業や個人事業、一定の年代以上の方にはまだまだ改革が必要です。
決して、妊婦を特別扱いしてほしいわけではありません。
妊娠して思うように働けなくなることに対し、職場へ申し訳ない気持ちもありました。
でも、働けなくなる理由は、妊娠だけではありませんよね。
怪我や病気、介護や育児、別の仕事がしたくなった、人間関係が悪化した…等々。
いつどんな状況に陥るかは誰にもわからないし、誰もがそういう状況に陥る可能性を持っています。そんな時に、助け合える「お互い様の精神」を持つことが普通な職場になれば良いと思いました。
もちろん、助けてもらう方はあぐらをかいて良いわけではないし、助ける方もなんらかの形で報われることが望ましいと思います。だからこそ、組織としてなんらかの対応が必要です。
妊娠しながら働く女性は増えている
私は、残念ながらパートの仕事をドロップアウトしてしまいました。
できることなら、産後のことも考えて、できるだけ長く働ければよかったです。
妊娠しながら働いている方、沢山いらっしゃいますよね。自身で体調をコントロールするのが難しい中で、頑張っている方には本当に頭が上がりません。
誰もが生きやすい世の中に…
安心して妊娠生活を送ることができる社会に…
個々のマインドも、組織体制も、並行して啓発が必要な日本社会だと、日本の片隅でパートをドロップアウトした、ぽんこつ主婦は思うばかりです。
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