パーキンソン病の父と、父の症状に戸惑う家族&孫の話

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今回は、私の家族のお話です。

私の父はパーキンソン病を患っており、数年前よりも身体を動かしづらく、性格も寡黙になりました。

コロナ禍で人と会わない生活だったこともあり、症状が進んだ父を見た人の中には、戸惑う様子を隠せない人も多くいます。

そんな中、実家にて、父と姪っ子&甥っ子(父にとっての孫)が久々に再会する場面がありました。

やっぱり、孫たちには、変わってゆくおじいちゃんの姿に戸惑う様子が見られました。

こんな時、父を悲しい気持ちにせず、子どもたちに多様性を教えてあげるには、どうしたら良いのか考えました。

私にとって、色々と考えることのあった印象的な出来事となりました。

「おじいちゃん、こわい。」

「おじいちゃん、こわい」

4歳と2歳の子どもの素直な反応でした。

会わない間に想像以上に症状が進行した父と、父に対する子ども達の反応に、姉は悲しくなったそうです。

その時、父はどんな気持ちでいたのかわかりませんが、微笑んでいました。

自分が孫たちに恐がられていることよりも、素直で元気な孫たちの姿を見られたことの嬉しさのほうが、大きかったのかもしれません。

そうだったなら少しホッとしますが…父の心の中はわかりません。

母は、「ほら、お父さん、姪っ子ちゃん達を恐がらせちゃダメじゃない~笑って~」と、笑っていました。

「おじいちゃん、こわくないよ」

私は笑って、そう言うことしかできませんでした。

「おじいちゃん、物を取ったり、お話することが苦手だから、困っていたら助けてあげてね」

そんな風に声をかけてあげれば、姪っ子&甥っ子への学びの機会になったかもしれないと、後で思いました。

父を気遣う小学3年生

また別に、小学3年生の甥っ子がいます。

甥っ子は、父のことが大好き。

父の初孫で、生まれた時から一番父と長く一緒にいた孫です。

姉に怒られたとき、いつも味方になってかばってあげていたのが父。

だから、その甥っ子も、母や私たちが父に不満をいう時など、いつも父の味方になってかばうんです。

ある時、居間のソファにいた私に、父が「杖を取って」と言うタイミングが何回かありました。

甥っ子はその様子を見ていたようで、父が席を立とうとする時などに、何も言わずに杖を手渡すシーンがありました。

甥っ子の優しさと成長に、じんわり涙が出そうになる出来事でした。

今も昔も、おじいちゃんは、おじいちゃん。

現在では、「パーキンソン病は完治することはない」と言われています。

しかし、 父の身体が不自由になって感情を伝えづらくなっても、孫たちを愛する気持ちを持っていることをわかって欲しいと思います。

それが伝わりにくいから、私達まわりの大人が教えてあげたいところ。

そして、父のように、障害や病気を抱える人、困難な状況にある人に対する思いやりを持つきっかけになれば良いなと思います。

そして、そういった人がいることは普通のことで、こわがる必要はないということを、理解できる子になってくれたら…と思っています。

身体を自由に動かし、沢山抱っこしたり、動物のものまねで笑わせてくれていた数年前までの「おじいちゃん」も、寡黙で俯きがちだけど心の中で孫を可愛がっている今の「おじいちゃん」も、君たちを大事に思ってくれているおじいちゃんだよ。

パーキンソン病の父が、家族に与えた影響

ここ数年の父の存在は、母や私たちにも大きな影響を与えていると思っています。

まだ60代半ば。

車の運転を止め、杖をつくようになり、転ぶようになり…

初めは、少しずつ日常生活で出来ないことが増えていく父の様子を見るのはとても辛かったです。

もちろん、今も辛いです。

父を一番身近で支える母は、最初本人よりも病気を受け入れることができず、悩み、沢山の本を読み漁り、専門家に話を聞いて学んでいました。

数年間寄り添って、病気を理解し、気持ちの整理の付け方を学びつつある母。

最近になって母は、「父の病気と向き合って、気づけた感覚や考え方が沢山ある」と、涙を滲ませながら話してくれました。

心配で時に悲しい気持ちにさせた父の病気は、母や娘たちに学びを与えています。

両親へ、今こそ感謝の気持ちをこめて

私たち(娘たち)はというと、そんな両親が少しでも楽しみや嬉しさ、幸せを感じる時間を増やしていきたいと思っています。

また、父を支える母が無理しないように、お掃除隊や家事隊としてこちらも無理のない範囲で、今後もちょこちょこ出動する予定です。

こうして、それぞれ巣立った子どもたちが、両親の存在の大きさや有難みを感じ、「当たり前じゃないんだ」ということを今の段階で再確認することができたのは、父がパーキンソン病を患ったからかもしれません。

父の病気をきっかけに、親孝行をするようになったのは、残念なことです。

もっと元気なうちから、常に感謝を伝えてくるべきでした。

でもそれでは結局気付けなくて、父の病気が私たちの考え方を変えました。

大きな気付きを得ることができたけど…

やっぱり、父にパーキンソン病になんて、なって欲しくなかったです。

今は、病気は関係なしに、いつかくる別れの時に後悔しないよう、沢山の感謝を言葉と行動で伝え続けようと思っています。

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