最近、LGBTへの理解を促進する動きが高まる一方で、色々な自治体の議員さんの、LGBTに対する「声」がニュースに取り上げられていますよね。
誤った理解のまま発言されている声を聴くと、残念だなあと思います。社会全体の流れは変わってきているけれど、やっぱりまだまだ理解不足のようです。
「性的マイノリティの方への理解を深めましょう」「パートナーシップ制度を導入しましょう」という動きが出てくると、よく「LGBTを支援すると、少子化が進んでしまう」という声が聞こえてきます。
勿論「少子高齢化」は、大きな日本の社会問題ですよね。でも、性的マイノリティの方々への支援を深めることと、少子化が進んでしまうことは、関係ありません。
順を追ってご説明します。
1 LGBT当事者は、カミングアウトしていないだけで、増減するものではない
同性婚を認めることで、自分が同性愛者であるとカミングアウトする方が増えるかもしれません。
しかし、それは、今まで自分が同性愛者であることを隠して生きていたのであって、日本の人口に対するLGBTの人口割合が急に増えるわけではありません。
今も昔も、一定数の当事者がいます。生きづらい世の中で生きていくために、カミングアウトできない状況なのです。
民間団体の調査によると、人口の約7~10%の方がLGBT当事者であると言われています。
2 外国では、子どもの養育をする同性カップルも
同性婚が認められている国では、子どもを授かり出産することができない同性カップルが、社会的な擁護が必要な子どもを育てるというケースも増えています。
海外の映画やドラマでもそういった家族が描かれていますし、YouTuberにも同性カップルでお子さんを育てている方がいらっしゃいます。
色んな家族のカタチがあることは、素敵なことであると思います。
3 同性婚が認められても、異性愛者が同性と結婚することは、ほぼない
同性婚が認められたからといって、異性愛者だった方が同性と結婚することは、ほぼありません。
逆に、同性愛者が、同性婚が認められない状況で、自分の心を押し殺して異性と結婚していた方は、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。また、自分が同性愛者であることに気付かないまま、異性と結婚した方もいるかもしれません。
Amazon のプライムビデオで観られる「TRANSPARENT」というドラマでは、お父さんが年を取ってからトランスジェンダーであることをカミングアウトしたシーンがありました。
確かに、同性婚が認められてLGBTに対する理解が進んだ場合、かつて、そういった結婚を経験した方がいなくなることは、一見人口の減少に繋がるとみられるかもしれません。
しかし、そういった生きづらさや苦しみを抱えて生きてきた方を、少子化という社会問題だからと言って、生きづらいままにしておく社会は、「健全な社会」ではありません。
4 少子化が進む原因の大部分は、未婚率の上昇や貧困などによるもの
少子化の主な原因は、未婚化、晩婚化、経済的不安定、などによるものであって、同性愛者の人口は関係ありません。
女性の活躍推進により、社会でバリバリ稼ぐ女性が増えました。結婚を選択しない生き方も、あります。また、経済的な問題で子どもを授かれないという夫婦もいます。
5 正しく、ありのままに理解しましょう
今回は、いくつかの自治体の議員さんの発言に関するニュースがぽろぽろ出てきていたので、記事にさせていただきました。
「同性カップル=子どもを授かれない」というイメージだけで、きちんと理解せずに決めつけるのは、民の代表である議員の立場として、怠慢であるともいえます。
もちろん、議員だけの問題ではありません。家庭、教育現場、職場、様々な場所に、差別や偏見は残っています。
互いに学び合い、LGBTにとどまらず、誰にとっても優しい世の中へと変わっていくことを願い、この小さなブログで伝えていきたいと思います。
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