「多様性」という言葉をよく耳にするようになった昨今、多様な性のあり方の相互理解について、様々な場面で少しずつ啓発が進められています。
そんな中、自分の働く職場や学校、サークルなどにおいて、「もっと多くの人に知って欲しい」と思った時、どんな活動ができるでしょうか?
今回は、特にLGBT支援団体に所属しているわけでもなく、定職すら就いていない、本ブログ筆者・Utakoの経験を踏まえて、「自分にできるLGBT支援」についてお話したいと思います。
若い世代を中心に、考え方が変わってきている?
法務省人権擁護局の2016年の意識調査によると、職場や学校で「差別的な発言があった」と答えた人は約71%だったそうです。調査が行われた当時から、5年が経ち、多様性を謳った東京オリンピック・パラリンピックも終幕しました。
現在の日本では、変化がみられているのでしょうか?
政治の世界では中々理解が進みづらいこともあるようですが、「若い世代を中心に考え方が柔軟になってきている」という声も耳にするようになりました。
若い世代に人気のタレントやYouTuberの方が、自分の性についてカミングアウトしながらも自分らしく生きている様子はとても素敵だと私も思っています。そういった方の影響もあると考えられます。
自分の立場でできることを考えてみる
支援団体や行政、タレントやYouTuberなどの影響力のある人が情報発信や啓発を行うことは、とても意義のあることです。
しかし、どんな立場でも、多かれ少なかれできることがあります。まずは、個人が正しい知識を身に付けること、そして身に付けた知識を発信することが大切です。それがほんの小さなものでも大きな意義があるのです。
ここで、私が自己満ながら取り組んでいることについてご紹介します。
わたしが公務員時代にやったこと
私がかつて地方公務員として働いていた頃、「男女共同参画」の担当もしていました。
仕事の関係でLGBT支援の活動をしている医師の方と出会い、様々な勉強をさせていただきました。すぐに様々な取組みを始めたいと思いましたが、組織の体質や上司の意向から、新たな制度の導入などには取り組むことができませんでした。
まずは、役所内で「多様な性のあり方」について正しい知識を持った職員を育成することが必要でした。
そんな中、地域が自然災害に見舞われ、役所内のあらゆる仕事がストップしたことがあります。災害復旧や被災者支援が第一優先となり、目に見えない・結果がわかりづらい啓蒙的な仕事は、後回しというか「必要ない仕事」と見なされてしまいました。
しかし、災害時にも多様な性のあり方について、配慮が必要です。
そこで、「災害時におけるLGBT支援」というテーマで職員向け勉強会を実施しました。
業務としてではなく、有志の勉強会という形になりましたが、他部署の職員に啓発を行ったところ、「災害対応マニュアル」に性のあり方について配慮した項目を増やしたり、性別を問う必要のない項目を削除したりと、改正に取り組んでもらうことができました。
かといって、突然勉強会に参加した全員の意識を変えることはできなかったかもしれませんが、何か小さな変化を起こすことが大切だと思います。
残念ながら、志半ば?で、退職することになりましたが、行政職でなくても別の形で何かしたいと考えています。
主婦のわたしにもできること
私は、現在専業主婦です。
自分が所属する企業や団体はありません。でも、個人でできることもあると考えて、このブログを開設し、微力ながら情報発信を続けています。
また、クラウドソーシングで若い世代向けの観光記事の作成を受託しているのですが、カップル向けの記事については、パートナーや恋人というワードを使い、性別を特定しないようにしています。
気付くか気付かないかわからないレベルの草の根的な活動ですが、できることをやっていたいという小さなプライドで継続しています。
多様な性のあり方は、どんな分野にも関わるもの
多様な性のあり方は、人権であり、あらゆる分野にも関わる問題です。
行政や、企業の人事担当者、福利厚生担当者など、人権問題やダイバーシティ、SDGsなどの推進に携わる人だけが、勉強し理解を重ねなければならないものではありません。この地球で生きる人が誰でも理解しておくべきことなのです。
みなさんも、自分の置かれた立場で何ができるのか、考えることから始めてみませんか?
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