「SOGIハラ」という言葉を聞いたことはありますか?
ジェンダーに関する人権問題が取り上げられるようになりつつある昨今、耳にする機会も増えているのではないでしょうか。なんとなく、「ジェンダーに関することなんだろうな…」「詳しくはわからない…」という方も多いかもしれません。
「SOGI」とは、全てのひとに関わる「人権」の問題です。
今回はそんな「SOGI」やそれに関するハラスメントについてお話します。
「SOGI」ってどんな意味?
まず、「SOGI」とは何かご説明します。
「SOGI」とは、「sexual orientation and gender identity」の略で、「性的指向と性自認」という意味で、「ソジ」または「ソギ」と読みます。
自分が恋愛対象とする性(好きになる性)や、自分がそうだと思う性(心の性)のことを指します。
「LGBT」と「SOGI」
「LGBT」について正しく理解する上でも、「SOGI」について知ることはとても大切なことです。
「LGBT」とは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字で作られた言葉で、性的マイノリティの方の総称ですが、「SOGI」という言葉は、 「SOGI」という言葉は、性的マイノリティの方だけでなく、異性愛者の方も含めた言葉です。
「SOGI」とは、全てのひとが持つ性に対するアイデンティティのことなのです。
SOGIハラスメントの例
それでは、「SOGIハラスメントとは何か?」ということですが、文字の通り、性的指向や性自認に対するハラスメントのことです。
以下、ハラスメントの実際に起こり得る例をいくつか列挙します。
同性愛者なんておかしい、変わってる
性的指向は、誰もが持つ「人権」です。それに対する差別や偏見は許されません。
「異性を好きになるなんて、おかしいね」と言われたら、どう思いますか?
性的指向や性自認が、自分や大勢の人と違うからといって差別的な言葉をかけられることは、人権侵害にあたります。誰もが平等に人を好きになる権利があることを忘れてはいけません。
女性なのに男性のような恰好しているのはおかしい
過去の事例として、「就職活動の時に性自認について話したら、内定取り消しされた」という不当な扱いを受けたということがあります。
自分の性自認や性表現が障壁になってしまう世の中だったら、悲しいですよね。
漠然と、「仕事は能力や人柄で評価される世の中であるべき」と考える方は多いかと思いますが、そうした悲しさや虚しさを感じながら生活している方が、実際にいます。
本人の許可なく性的指向や性自認を他人にバラす【アウティング】
誰かのSOGIについて、本人の許可なく他人に話す行為をアウティングと呼びます。
これは、人を深く傷つけ、過去には命に関わる事態になってしまった悲しい事件もありました。
LGBTって、職場にいないから関係ないよね
LGBTの人口は、7%~10%と言われています。カミングアウトしていないだけで、LGBTの方は身近にいるのです。
では、なぜ自分のSOGIをカミングアウトせずにいるのかというと、単にカミングアウトする必要がないと感じている方もいるかもしれませんが、世間の理解不足や差別的な言動・思考に悩んで生きているからなのです。
理解不足や差別を恐れて、声をあげられない方も多くいるのです。
「問題にならないから、困っている人はいない」ではなく、日本だけでなく世界のおいて、「問題として取り上げられすらしない問題」があることを忘れないようにしましょう。
自分ごととして考える
上記に挙げたハラスメントの事例ですが、「過去のこと」ではなく、今なお、どこかで起きている問題です。傷ついたり、困難な思いをしている方がいます。
そんなハラスメントを無くすために何をすればよいか…
まずは、もし自分の性的指向や性自認について差別や偏見の扱いを受けたらどう思うか、「自分ごと」として考えてみましょう。
そして、本記事が少しでも「SOGIハラ」について知るきっかけとなれば幸いです。
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